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乳児が生まれてすぐに使うもの、それはおむつ。布にするのか、あるいは紙にするのかは保育園なんかでも意外と迷いのあるところ。私の数少ない経験でいえば、認可保育施設(特に公立保育施設)はどちらかというと布おむつが多く、認可外保育施設では圧倒的に紙おむつが多い。認可外保育施設が圧倒的に紙おむつなのには簡単な理由がある。認可外保育施設は税金などでゆとりのある経営がなされているわけではないため、人材の数にもゆとりがない。そのため、子どもにめいっぱい手をかけてやりたいという思いとはうらはらに、どうしても便利さを優先せざるを得ないという理由がまずあがる。さらに、目的が福祉ではなく、預ける保護者の立場や理由も様様なため、認可保育施設ほど保護者の協力を得られにくいという理由もあるだろう。布おむつの負担は実際に世話をする保育園側だけではなく、保護者にとっても大きい。毎日毎日大量の汚れた布おむつを持って帰って、夜遅くに洗ってまた次の日に保育園へ持って行く手間よりは、経済的な負担はあっても便利な紙おむつを保育園へ持っていく方が保護者にとっては負担が少ない。 omutu_soft_s.gif
fumira_baby03_s.gif 最近の紙おむつは吸収性や通気性に優れているので、かつて言われていたようなおむつかぶれの心配は少なくなってきている。それに、紙おむつはなんといっても便利だ。
一方、布おむつの場合は、濡れたり汚れたりすると子どもが気持ち悪がって、それがおむつ外しへとスムーズにつながるといった理由や、快適な紙おむつに比べて快不快がはっきりと感じられ、快不快を表現できることで子どもの精神面での健やかな成長にもよいとされ、選ばれることが多い。また不快をもろに表現することで、大人もどのぐらいの感覚で排泄をするのかが分かったり、おむつを換えるときによりスキンシップをとれたり、便の状態が鮮明に分かるといった利点もあげられる。布おむつはふかふかで好きという子どもも意外と多いようで、排泄をすぐにとり除いてもらえるという条件さえクリアできれば、紙おむつよりはむしろ快適といえるだろう。
上記したようにどちらにも利点があるものの、どちらにも難点もある。
まず紙おむつは使い捨てのため、エコとは程遠い。エコというのであれば使い捨ては資源の無駄を省くという意味では布おむつに軍配があがる。ただ、布おむつも洗濯の回数は半端なく多く、水を大量に使わざるを得ないという点においては、環境問題で大差がないという見方もある。大きな問題となるのは、やはり手間の問題。布おむつの手間はかなり大きい。保育園では0~1歳ぐらいまではほぼ毎日紙おむつを8枚程度は最低でも使うことになる。排泄の頻度は月齢や状態、また個人差もあり、一概にどのぐらいの枚数使うものだとは断定できないが、保育園にいる時間を基本保育時間とされる8時間と考えれば、だいたい1時間に1回換える計算で8枚ぐらいと予想。あとはおむつ外しの状況にもよるだろう。トイレトレーニングとおむつ外しに関しては、こればっかりは内臓の機能の成長なども関係するため、個人差がある。そのため2~3歳でもおむつを使う子どももいる。そう考えると、紙おむつは0~3歳ぐらいまではある程度必要となるため、経済的には相当な負担となることは間違いない。ただその分手間という部分では負担は少ない(むしろ便利)。布おむつは、おむつカバーと布おむつさえいくつか購入しておけば、あとは洗濯代ぐらいで経済的にはお得。ただし、紙おむつのようにさっとつけることはできないし、処理が大変だ。尿であればささっと洗い流してから洗濯でよいだろうが、便となるとその処理も難しい。保育園などではおむつを洗う専門のシンクが設置されているなど処理に困ることはないが、1つ1つのおむつについた便を洗い流すのはなかなか苦労がいる。その苦労がいいという意見もあるが、そこに時間を費やすよりは子どもともっと一緒にいてという理由で布おむつから紙おむつへ変更したという保育園もある。
toilet_s.gif
どちらがいいかは一概にはいえないが、どちらの利点も魅力はある。いいところどりをするのなら、日中は基本的に布オムツを使用し、外出するときなどは紙おむつにする。また昼寝や夜寝るときには紙おむつにするなど、(若干の面倒はあるが)使い分けることも1つの方法といえるだろう。

Identityでは、保育園でのおむつのとり扱いについてこう考えている。
保育園では紙おむつに統一。ただし保護者が保育園に紙おむつを持ってくる必要はなく、保育園で外注する。おむつかぶれや履き心地などに配慮したかたちでおむつや業者を選択し、履かせるタイプとテープタイプを発注する。もちろん、入園の際に保護者の承諾が得られることが前提。使った枚数に関わらず、月極でおむつ代を保護者に請求。トレーニングパンツの使用頻度や、昼寝・散歩時にしか使用しないなどの場合によっては月極のおむつ代を割安とする。使用済みのおむつは、衛生面を考慮し、次の日は使わずその日で捨てる。持って帰らせるなどもしない。
別の話になるが、新入社の保育従事者への新人研修では、布おむつの研修を行う。なぜ紙おむつを保育園が選択しているのか、また布おむつと紙おむつの特徴を保育士自身もしっかりと認識し、保育園が紙おむつを選択している理由を保護者にも説明できるぐらいの意識づけを行いたい。

(2009年8月25日)【穴山安治(小助)】

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プロフィール
HN:
小助
年齢:
43
性別:
男性
誕生日:
1981/03/10
職業:
保育士
趣味:
考古学
自己紹介:
法学部法律学科を卒業後、小中高校生への学習指導講師を経て、幼少期からの夢の保育業界に転身し6年目。労務管理を得意とする異色の保育士として施設長経験も有り、現在は知識・技術・経験を活かし講師として労務と保育を説く。
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